![]() | 新しい高校生物の教科書 (ブルーバックス) (2006/01/21) 栃内 新/左巻 健男 商品詳細を見る 評価:★★★★☆ |
現代人に最低限必要なサイエンス・リテラシー獲得を目的として刊行された新しい高校理科教科書シリーズの生物版である。検定外教科書というだけあって学習指導要領に縛られておらず、その内容の選定にも編著者の自由がかなり生かされている。このシリーズには本書の他に「物理」「化学」「地学」のラインナップが用意されていて、本書も含めた4冊を1セットとして読むことが期待されているようだ。
新書版で400頁程度にまとめる必要性からか大幅にカットされている単元がいくつか見られる。恒常性に関するホルモンの記述はどう考えても貧弱すぎるし、メンデルの法則に関してはほとんど書かれてすらいない。それに対して、DNAの複製や先端的なゲノム研究などの事情に関するあたりには高校生物のレベルを大幅に超える内容が含まれている。以上のような内容面でのアンバランスさは否定できないが、全体を通して見てみれば教養書としての完成度は非常に高いことは間違いない。また、ミトコンドリアのクエン酸回路と水素伝達系に関する説明や葉緑体のカルビン・ベンソン回路に関する説明は詳しく書かれており、丁寧に読めば誰でも理解できるように努力されていて大変素晴らしいと思う。高校生が受験勉強の一環として読むことには向いていないが、高校の理科から遠ざかって久しい大人が読むには最適な本だろう。バイオテクノロジーや先端医療、または応用倫理学などに興味を持っている人には是非とも読んでもらいたい。
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『新しい高校物理の教科書』 講談社ブルーバックス
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